奈良県郡山市在住のN様より、ベンツのエアコン修理のご依頼をいただきました。
しかしこのベンツは、ネオレトロの王道を行く W126 560SEL です。
電話でお問合せをいただいた時点で、難航する予感・・・・
ガスが漏れているのはオーナーさんも承知で、何年も誤魔化しながらガスチャーチをしていたそうですが、
今まで診てくれていた整備士さんがこのクルマより先に定年退職されて、メンテ難民になってしまったそうです。
ご来店いただき車を拝見すると、ガスホースがダダ洩れのようで交換が必要です。しかしそのまま純正部品で修理しても困ったことがあります。そう、R12タイプの冷媒ガスが手に入らないのです。
現実的な修理は、現代の冷媒ガスに改造するしかありません。
【エアコンを改造する理由】
時代にあわせてエアコンのガスが変わってきているのが原因です。
カーエアコンのガスは、1990年代初めごろからオゾン層を破壊しないR134aガスへ切り替わりました。
修理をする際に昔のガスR12は手に入らないので代替えガスなどを使うのですが、それでも高価なので今後の事を考えて、新しいガスを注入できるシステムへの改造をご提案させていただきます。
最近は旧車ブームでネオクラシックなクルマがもてはやされていますが、エアコン修理は新ガス改造なしでは不可能です。これを業界ではエアコンのレトロフィットとも言います。
このW126もエアコンを従来のシステムから今のシステムへ改造を開始。
改造って聞くとちょっと面白そうですが、そんなええ感じの作業ではなくやる気と根気が必要です。
ガス漏れのホースは、元の部品を使って新ガスR134a対応のゴムホースへ改造、さらに接続部分のOリングも全部新ガス用へ交換。
ここまで用意が出来たら、最大の難関 『エアコン内部の洗浄』がまってます。
ルームエアコンのクリーニングとは違うんです。洗うのは配管や機械の中で、残っている旧ガス用オイルを洗い流さないとダメなんです。新ガス用オイルとは混ざらない上に、新しいホースのゴム素材を痛めてしまうからです。
エンジンルーム側のコンデンサーはやり易いけど、室内側のエバポレーターを洗うのは大変です。うっかり洗浄液を室内にぶちまけたら、カーペットの交換です。(汗)
専用のジグを作ってホースを接続、自家製の洗浄ポンプにつないで洗っていきます。
洗い終われば、コンプレッサーに残ったオイルをできる限り排出させて、レシーバータンクなどは全部交換です。
ここまでくれば、新ガス用オイルを入れてエアコンガスチャージを開始。各部ガス漏れがないか念入りに調べてから最終組み立てにかかります。
無事にエアコンの改造が完了し、新しいガスが補充できました。
元通り冷房も暖房も効くようになり、お客様にもお喜びいただけました。
これでこのクルマの価値が100万円アップしたはずです。(笑)
輸入車ユーザーが頭を抱える原因の1つ、それが今回のように修理が厄介なエアコンの故障なんです。
日本車よりも比較的に故障の頻度が高いことに加え、ディーラー以外では正確な診断が出来て修理を受け付けてくれる所が非常に少ないのが現状です。また、パーツも高額なものが多いため、修理代も高額になってしまいます。
そんなオーナー様のお悩みを解決するために、欧州最強自動車では並行輸入パーツを使用したり、現物修理や新品部品の製作も行うなど、修理時間と費用のバランスを考えて対応いたします。
欧州最強自動車は、輸入車修理の実績が奈良県トップクラス。
ベンツ・BMW・MINI・アルファロメオはもちろん、幅広い輸入車メーカーに対応可能。奈良県大和郡山市を中心に、お客様の愛車に「とことん」向き合い、心のこもった車修理をお約束いたします。
TEL:0743-25-5511
お問合せフォームは24時間受付をしておりますのでお気軽にお問合せください。
お問合せフォームはこちら