なぜオイル交換が必要なのかは、皆さんならなんとなくお分かりと思いますので、くどい
講釈は割愛します。では客観的な変化に注目してみましょう。
交換時期は最後に説明しています。
エンジンの始動直後やアクセルを踏み込んだ時、アイドリング時などは、燃え残りの燃料がピストンの隙間を伝ってオイル溜まり(オイルパン)に流れ落ちます。この燃え残り燃料はオイルが高温になることで蒸発してブローバイガスとなって放出されます。しかし短時間運転やアイドリングが多い運転ではエンジンオイルが高温にならず、これらがどんどん蓄積されてしまいます。その結果オイルの粘度が薄まってしまい、エンジン保護の油膜が薄くなり、エンジンを痛めやすくなります。
酸化のイメージは、てんぷら油のように黒くなるのをイメージされるかもしれません。エンジンオイルでは、ちょっと違います。酸化の主な原因は、燃料が燃えることによる発生する水分と硫酸が大きな原因です。さらに短時間のエンジン始動を繰り返すエンジンには、クランクケース内を換気される新鮮な空気の湿気が寒暖差でエンジン内部に結露します。
これら酸のもとを中和する添加剤(中和剤)があらかじめ含まれていて、新油は弱アルカリ性になっています。オイルの使用過程でどんどん酸化物が出てくるとこの添加剤が働いて減ってきます。するとオイルが弱アルカリ性から中性に、そして酸性に変化してきます。
ではどのくらい変化するのか? 実験してみました。
エンジンから抜き取った使用済みオイルはph7.0前後。 一方の新油はph9.0前後。(どちらも数値が多少振れていましたが、おおむねこの数値です)ph7.0が中性で、それよりも大きい数値はアルカリ性です。つまりアルカリ性から酸性へ変化しているのが分かります。
phが7.0を切る時点がエンジンオイルの寿命そのものと言えます。
粘度指数向上剤のポリマーは熱や摩擦により分子が切れて失われてしまいます。画像にあるような高分子構造の糸くずのようなものが、少しずつ切れてきます。
清浄剤は、エンジン内部で発生するゴミの粒をコーティングし、大きな塊にならないようしながらオイルフィルターへ運ぶ役割を果たしていますが、劣化してくるとコーティングする性能が失われてごみの粒が塊になりエンジン各部に堆積してしまします。
乳化防止剤は、エンジン内部に入る水分がオイルに混ざりにくくして、分離させる働きをしていますが、劣化してしまうと水がオイルに溶けて酸化を促進してしまいます。
ほかにもいろいろ頑張る添加剤が疲れて機能が無くなると、それらがスラッジ(ゴミ)となってオイルが汚れる原因になります。また酸性になるとスラッジが急増する性質があります。
エンジンによって違うので一概に言えませんが、クルマの取扱説明書に書いてある距離が基準になりますが、欧州車では想定されている使用環境が違います。ドイツでは3万キロ程度を想定していますが、同じエンジンでも日本市場ではほとんどのメーカーは1万キロ~1.5万キロで交換を推奨しています。
実際はもう少し短いかもしれません。通勤で使う場合、朝夕とも渋滞の中で使用されますので距離に反映されていないエンジン運転時間があるのでもっと短くなります。車種によってはメーター内にオイル交換時期を表示される車がありますが、このコンピューターは結構いい計算をしていると感じます。上記の距離をもとに、オイル交換時にリセットされた距離からおおよそ1万キロ減った時点で交換するのがお勧めではないかと思います。
また距離を走らなくても1年ほどで交換するのべきとオイルメーカーの技術者は言っていました。確かにキャディラックのオイル管理メーターは、使用時間によっても交換時期を正確に表示しています。日本の一般的なユーザーは、1年で1万キロ走行が平均的な距離ですので、どちらもいいタイミングだと思います。
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