「走りの要」であるサスペンションは、車輪を支え、衝撃を吸収する機構で、車輪を支えるサスペンションアームとバネ、そしてダンパーから構成されています。サスペンションアームが車輪の位置を路面に対して所定にすることで、自動車を安定して走らせる機能をもってるので、これはお客様のカーライフを快適にするために、大切な機能となります。
みなさんは、ショックアブソーバーを交換するきっかけはどんな時でしょうか? 一番多いのは、ダウンサスペンションに組み替える時ですかね。車検の時にオイル漏れが見つかって交換する方も多いと思います。
ショックアブソーバーは、レースカーではとても重要視されている部品ですが、一般車ではそんなに気にされている方はいないのではないでしょうか。しかし、ショックアブソーバーが劣化してくると、少しづつ不具合の芽が出 てくるんです。
まず一番わかり易いのがタイヤの摩耗。「タイヤの摩擦にも影響がでるの?」って思うでしょ。知らない方も多いと思いますが、車(ボディー)の動きに関わる現象で、乗り心地や操作性と違って目で見える現象なのでどんな人でもわかりやすいです。
どんな風になるかと言いますと、タイヤのトレッド(接地面)両端の摩耗が中央より進んでしまいます。例えばカーブを曲がったり、ブレーキを踏むなどで車が動く時、特にサスペンションがバンプ(縮む)する時にショックアブソーバーは余計な動きを抑える減衰機能が働きます。これが緩くなってしまうと、ロールやピッチングのストロークが大きくなって、タイヤのキャンバー変化が大きくなるんです。
対地キャンバーはボディーのロールが大きくなるほど、外輪側では外側のトレッドに接地圧が大きくかかり、内輪では内側のトレッドが引きずられるようになって、どちらも摩耗が進んでいきます。
ブレーキング時では、前輪が両方共バンプするのでキャンバーがネガティブになり、タイヤの内側に接地圧が集中してしまいます。つまりグリップも落ちるし、摩耗も進んでいきます。
リヤサスがパラレルリンクのクルマ(アルファロメオ147 など)では、バンプストローク時にトレッド変化が生じてタイヤ(トレッド寸法)が外側に広がります。コーナー入り口ではこの特性を生かして外輪がキックする作用を 利用して車体の応答が良くなるのですが、加速時はテールスクワットによるリヤサスのトレット幅が、タイヤの接地面を擦りながら広がるので無駄な抵抗が増えるんです。
ハンドリングに効く動きと、ダンパーがよく強い車の動きを分解しながら観てみましょう。
強く効く(ダンパーが硬い)場合、ハンドルを切り始めた時の応答が良くなります。これはハンドルを切り始める とクルマがロールを始めてタイヤにかかる荷重に変化が起こる。この時に硬いダンパーでは、スプリングの力と合わせてダンパー自体の突っ張る力が加わるから、外輪のタイヤにかかる荷重の変化が早く変わって(地面に押し付けられる力が素早く立ち上がり)タイヤに車の向きを曲げる力が発生しやするかなるからです。
これをダンパーなしでやった場合、クルマがロールする力(量)は同じだけど最大荷重に達するまでにバネが完全に沈み切るまで待たなきゃならない。だからハンドルの応答が遅くなってしまうんです。
地面のキャップを乗り越える時、ダンパーがないほうが突っ張る力が少なくてタイヤはスムーズに動くことが出来るから乗り心地や接地性が良くなります。けれどダンパーが効かないとハンドルの応答性が良くなくなります。両方を高次元にバランスさせているにのダンパーメーカーは苦心しています。
画像のグラフを見てみてください。よくこんなグラフ見かけると思います。 折れ線を分解してみると、黄色く記している範囲のハンドルを切り始めた時などのゆっくりとした動きの範囲では、グラフの角度が急激に立ち上がっているのがわかります。これはダンパーがなるべく早く強く効くようにして、縮側(comp)ではハンドルの応答性を良くして、伸び側(ten)では大きなうねりを越える時のフワフワ感を抑える為です。0.1あたりを境に角度が緩やかになっています。赤く記している範囲は、ギャップを超える時などに発生する早い動きです。ここを緩やかにすると乗り心地がよくなります。
メーカーがダンパーを設定するのは乗り心地とハンドル特性などのいろんなバランスを取らなくてはいけません。極端なスポーツカーを除いて乗り心地を損なわない程度にする必要があるので、そこに剛性の高いハイグリップタイヤを履いたりすると、どうしてもノーマルサスペンションが柔らかく感じてしまうんです。
いったいどんなサスペンションが理想なのか? それはズバリ、『動物の足』です。
動き方を分解して観てみましょう。 高いところから飛び降りた時、着地の瞬間は衝撃を吸収するために膝を曲げます。 衝撃を吸収し終わったあと、バネのようにビヨヨ~ンっと跳ね返ることはなく、自然に膝を伸ばします。これが車にとっても理想的な動きで、現在それに一番近いのがアクティブサスペンです。
その中でも過去最高峰の性能を発揮したのは、(コーリン・チャップマン時代)ロータスF1に搭載されたサスペンションで、縮側と伸び側の両方をアクティブに動かしていました。だからデコボコを通 過する前にタイヤを引き上げたり、車体が沈むときは踏ん張ったりして車体の姿勢が常に一定を保っていました。(カーブを曲がるときは、わずかにロールさせてドライバーの感覚に合わせていた ようです。)
これを市販車に搭載することは出来るのですが、強力な油圧ポンプを必要とするので燃費が悪化してしまいます。さらに複雑な機能の為、コストも相当かかります。 なので一番近いのが、伸び側だけアクティブに制御する市販車とされています。
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